人間国宝 音丸耕堂作 堆漆大黒カブト(ダイコクコガネ)香合 牡丹金襴仕覆・共箱・塗箱付

音丸耕堂 1898-1997

石井磬堂に弟子入りし讃岐彫りを学ぶと、玉楮象谷の作風を私淑、独自の彫漆技法を生み出す。1937年帝展にて初入選。1942年文展にて特選受賞。戦後、日展においても特選を受賞しており、1955年には人間国宝指定される。彫漆の進化研究に類稀な力を注ぎ、日本工芸会の創立にも参加、後進の育成にもつとめた漆芸家。

黒・白・赤・青と4色の層が窺える堆漆作品。側面の層見せ、内の独楽状の見せ、底面の年輪のような見せ方も、どちらも素晴らしい景色が楽しめます。器形は上に向かって少し広がる末広ですので、上面が大きくなっています。蓋天には黒光りする昆虫が研ぎだされており、金彩による加飾がありますが黒漆を研ぎ出しており、僅かに黒色のみの層となった様子が窺えます。
箱題には「大黒カブト」とあり、カブトムシのよう角のあるコガネムシの一種で「ダイコクコガネ」を意匠した愛らしい作品ですが、高い芸術性をもつ逸品です。
牡丹金襴仕覆・共箱（蓋見返しには銘と「重要無形文化財」印）・塗箱付き。

【状態】

経年による擦れの程度です。共箱に染みあり。
二重箱となっていますが共箱に紐がかかっており、少しきついです。元の紐は紛失し、新しい紐（厚みが元紐より厚い）が通された為と思われます。

【サイズ】

直径 : 約 6.1cm　　高さ : 約 3.3cm

【重量】