「九谷焼」は加賀国江尻群九谷村を発祥とし、1665年に大聖寺藩の陶石発見によりはじまり僅か約50年で幕を閉じた古九谷、江戸時代後期より青木木米が指導した春日山窯を中心とした若杉窯、吉田屋窯、飯田屋窯、永楽窯、小野窯、庄三窯等の再興九谷と続き、現代の三代徳田八十吉・吉田美統らの人間国宝へと受け継がれている石川県無形文化財です。

【清水美山】（1861-1931）本願寺金沢別院の寺侍の子、長男として生まれ、直江菱舟・岩井孝次・笠間秀石・岡村忠平に陶画・陶技を学ぶ。自身で新しい技法を生み出し金沢九谷の名工と称された。1892年に清水美山堂の店舗を開業し1936年まで営業を続けた。
名画工による上手作品です。粒と花図の白釉部盛上技法が写実的な絵画構成と重なり、色彩豊かで品格ある高雅な作行が圧倒的景色となっています。紅白の牡丹と菊がメインを張るように大きく配置され多種多様で彩りの華やかな小花が隙間無く詰め地となっており、どの面が鑑賞しましても見事な様子です。また精密精緻なる小紋景色には粒手技法が巧みに用いられており、ただでさえ細かな意匠がより惹きたちある様相として器を装飾しております秀逸作品です。
高台内に「九谷美山造」青字名あり。

【状態】
経年による擦れ傷や色の掠れ等はありますが目立つ傷みはなし。


【サイズ】
胴径:約17cm　　高さ:約30.5cm


[重量]