【諏訪蘇山】（1851-1922）
加賀藩士の家に生まれる。洋式武学校・壮猶館に学び教授役をつとめた。 任田徳継次に陶画を学び、石川県勧業試験場製陶助手になった後、九谷陶器会社、金沢工業学校にて後進の育成につとめるが 大病を患い休養。見事に蘇生を果たしたことで「蘇山」と号する。 七官青磁・白磁・白高麗・交趾釉・漆黒釉と研究を重ね様々な青磁作品を発表。 京都で錦光山宗兵衛窯に勤めるが独立し京都に窯を開く。 朝鮮の李王家より高麗古窯調査を嘱託され再興を果たし、1917年には帝室技芸員を拝命した青磁の名工です。



蘇山の得意手である青磁袴腰三足香炉。洗練された端正な姿に整った落ち着いた発色を魅せる美しい青磁釉と絶妙です。底部に「蘇山」印銘あり。
添えられた火舎は見事な彫金透し細工で唐草模様に三羽の小禽（雀）が意匠されております。銘は見られませんが時代の名工の手であることは疑いもありません。
共箱付き。箱の覆い紙に前所有者による覚え書きがあり「伊坂長日庵（伊坂又右衛門1892-1973）より頂戴したもの」との記載されております。確証はとれませんが北大路魯山人や川喜多半泥子らと交流した人物の遺愛品であった御品物である可能性もあり、それを省きましても帝室技芸員による名品となっております。
【状態】
香炉（火舎）は経年・使用の痕はありますが傷みはありません。共箱は焼け・染み、蓋に薄いヒビが若干でておりますが収納保管に問題はありません。


【サイズ】
高さ（火舎は含めず） : 約 9.8cm　　胴幅 : 約 12cm


[重量]
香炉 : 約 504g　　火舎 : 約 92.3g